2007年7月21日土曜日

夢のお話

昨夜の夢は奇妙だった。主人公は自分ではなく、客観的にドラマを見ている感じだった…
九州の北の離島に青少年の矯正施設があり、
主人公Aは一昼夜かけ船で到着する。
気候は温暖、強制労働といったものもなく。
三食昼寝付きで、島内は自由に往来できる。
むしろ、避暑地の病院に治療に来た雰囲気だ。

ある日、散歩をしているとラーメンの良い香りがする。
それに惹かれて店内にはいると、店主が一杯100円だと言う。
金は持っていないと答えると、院長に言えば貸してくれるとぶっきらぼうに返事がきた。

院長に申し出るとニコニコしながら、100円と一枚の紙切れを出した。
無地の約束手形だ。
これは何ですか?と聞くと、もう一度見ろと顎を突き出す。
よく見ると、振出人は自分、宛先は院長、期日は一年後の出所日、額面100円と書いてあった。

よく分からないままにラーメンを食べた。
美味しかった…
警察に捕まって以来、こんなに美味しいものは食べたことがなかった。

それ以来、院長に借りては買い物をするようになった。
不思議なことに借りる度に、最初にもらった約束手形の額面が増えている。
書き直していないのに自然に増えていく。

「出所日に返せないと、返せるまで延期になりますよ」とニヤッと笑いながら院長が言う。
「島内では自由に働けますので、働いて稼いでください」と続ける。
嫌な顔だ。

一日中することもないのでラーメン屋で働くことにした。
店主一人の店だが、Aはいつの間にか皿洗いをしていた。
一月後、手形を見てみると受取人が自分に変わり、額面が5000円になっている。

スープを作る手伝いもするようになった。
額面が5万円になっている。

麺を茹でさせてくれるようになった。
額面10万円

その増える額面を楽しみに、人生で初めて真面目に働いた。


出所二ヶ月前のこと、額面が変わっている。
一、十、百、千、万………1億円だ!
期日は一ヶ月後!
何だこれは!


それからは働く気がしない。
手形を見せてはツケで遊ぶ。

そして、今日がその期日。
期待と一抹の不安…
散歩していると突然、目の前に車が!


そこで目が覚めた。
1億円は保険金だったのか分からないが、結末の割にさわやかに目が覚めた。
たぶん、労働の喜びが残っていたのだろう…


でも、何なんだこの夢。
以前読んだことのある小説?
こんなブラックユーモアは持ち合わせていないのだが…