2009年5月28日木曜日

テロと戦争

イラクで人質とされた活動家やジャーナリストが全員解放された。ヴェトナム化が心配されたイラクだが、聖職者協会がリーダーシップを取れること、解放の理由が論理的であることが逆に不安を募らせる。

人質にされた日本人が「またイラクへ行きたい」と言っただけで、自己責任・損害賠償等が閣僚から発せられた。
彼らが解放されたのは、「イラクのために活動している人間は殺さない」という理由であって、これこそが自己責任だと思われるのだが…
人質にされ言葉も通じず、日々移動しながらも情報は与えられず、
自分を励ますためには、「何故自分はイラクへ来たのか?」「何のために来たのか?」
自問自答の中で「自分の意志で、イラクの民のために来たのだ。」と励ましながら、必死に耐えていた事は容易に想像がつく。解放されたとしても、支えられてきた言葉が一番先に出てしまうのは当たり前の事だ。
それに対する誹謗中傷は政治家としての技量が問われ、配慮の無さがあからさまになったといえる。
一番、割を食ったのが自衛隊で、
首相が「自衛隊は人道支援に行ってるのであって、理不尽な要求に国策左右されない。」と発言したために、
銃を突きつけられようが、先に発砲する事はできなくなってしまった。
それに、人質が政府高官や皇族であっても撤退しない事を明言してしまったのだ。

人道支援のために送り出した自衛隊は日本軍と思われたまま「出て行け」と言われ、個人の意志でイラクへ行った個人は「イラクのために来た人は殺さない」と解放される。
民にできる事は民間にという首相の言葉通り行動したのだが、本人によって否定されるとは思わなかっただろう。
ボランティアの難しさは「自分の思う支援」ではなく「相手が望む支援」である。
現地にいない政府によって決定される「支援」が、税金の無駄遣いになりかねないことは自明の理であり、
ルモンド紙に「外国まで人助けに行こうとする世代が日本に育っていることを示した」と報道され、
「人道的価値観に駆り立てられた若者たちが、死刑制度や厳しい難民認定など(国際社会で)決して良くない日本のイメージを高めたことを誇るべきなのに、政治家や保守系メディアは逆にこきおろしている」と皮肉られてしまった。

今回の戦争でも米英軍は力で多くの誤射や誤爆を繰り返したがこれはテロとは言わない。
交戦中であっても、自爆はテロと呼ぶ。
イスラエルがハマスの指導者を暗殺してもテロとは呼ばない。
誰かテロについて教えてください。